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 談話室(フォーラム)
 「いい家」をつくる会
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“住宅本”の大ベストセラー 『「いい家」が欲しい。』作者の推薦業者が建てた「欠陥住宅」
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“住宅本”の大ベストセラー
『「いい家」が欲しい。』作者の推薦業者が建てた「欠陥住宅」
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2005/10/26 |
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「あのクサい家では生活できません。それを何度訴えても、建築会社は十分な対応をしてくれませんでした。そのうえ、逆に相手から裁判を起こされる始末で、いまは何も考えられない状態です。」
現在もなお“欠陥住宅”被害に悩む埼玉県在住の中村弥生さんはこう話す。
中村さん一家が木造一戸建て住宅を建築したのは03年末。当初は快適な生活を送っていたが、04年の春先に屋根裏から大量の蛾が発生。調べてみると、木材に産みつけられていた蛾の卵がかえったためだとわかった。施工した建築会社Xは駆除を専門業者に委託、その業者が屋内に消毒薬を散布したところ、薬剤の臭いが家中に充満し染み付いてしまったという。
中村さん一家が住宅建築を決意するにあたり、大きなきっかけとなった一冊の本がある。『「いい家」が欲しい。』(創英社/三省堂書店)と題された自費出版本だ。1万部売れればヒットといわれる“住宅本”にあって、30万部を売り上げた大ベストセラーである。住宅の快適性を高めるといわれる「外断熱工法」「ソーラーサーキット工法」といった新技術を流行させた“火付け役”でもある。
中村さん宅を建てたのは埼玉県にある中堅のX建設。同著の著者である松井修三氏が代表を務める「いい家をつくる会」という団体にこのX建設は参加していた(中村さん宅の問題が発覚する前にX建設は脱退)。つまり、X建設は松井氏に「いい家をつくる」会社としてお墨付きをもらっていたのだ。
蛾の発生に伴い、X建設も何もしなかったわけではない。専門業者に依頼して「オゾンによる脱臭工事」を実施したのだ。しかし、この工事の効果は疑問が残るものだった。「いまだに臭いはまったく消えていません。建て替えてもらう以外に、元の状態に戻す方法はないと思っています」(中村さん)
中村さんは悪臭のする新居に住み続けたため、「化学物質過敏状態」の診断を受けた。いわゆるシックハウス症候群で、いまも不定愁訴に悩まされている。
その後、X建設側からは何の対策も提示されていない。この惨状を訴えるため、中村さんは「我が家は、欠陥住宅」というブログを開設した。
一方、ブログという手段で事態を公表されたX建設は態度を硬化、建て替えおよび慰謝料の支払いを正式に拒否した。そして今年9月、「債務不存在確認」を求めて、中村さんを提訴したのだ。訴状を要約すれば、X建設の言い分はこうなる。
「臭いの除去作業や中村さんが仮住まいするための費用をすでに800万円あまり支出しており、これ以上の支払い義務はないと考えます」
「いい家」の著者である松井氏はこう言う。
「建築会社という企業が、弱者である一般顧客を泣かせてしまったのは事実で、責任を痛感しています。私の主宰する会にいた業者ですが、いくらか費用を払ったからといって責任を放棄するのはいかがなものでしょうか。」
シックハウス問題に詳しい秋野卓生弁護士はこう話す。「閉め切った住宅のなかで消毒剤を撒布する際は、住む人の健康を当然考慮するべきでした。企業としての法的責任、道義的責任が問われます」
マイホームの陰では常にトラブルが絶えない。「欠陥住宅問題」はいまも現在進行形の社会問題だ。
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