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2019年1月25日

太陽光パネル 再利用義務化

 環境省は太陽光パネルのリサイクルを利用者などに義務付ける方針を固めた。パネルの耐用年数は20年程度で、2012年に始まった固定価格買取制度(FIT)で急速に普及が進んだパネルが2030年ごろから大量の廃棄が見込まれるため。義務化により不法投棄を防ぐほか、資源の回収にもつなげる。
 太陽光パネルの導入はFITで急速に進み、経済産業省によると2018年6月末時点の導入量は4037万kWで4年前に比べると3.7倍に急増した。買取価格は導入当初の1kW時あたり40円から下がり、2019年度は14円。今後も低下する見通しでパネルの製造コストが下がっても採算が取れず、事業を更新しない家庭や企業も増えると見込まれる。
 環境省によると、現在パネルの廃棄量は1000t程度だが、2025年に1万t、2030年に3万t、2035年に6万t、2039年に77万tへ増える見通し。現在、パネルの処分は廃棄物処理法などに基づくガイドラインで定めるが、リサイクルを義務付けていない。
 パネルは高性能なガラスや電子機器、銀などの資源でできている。リサイクルせず処分をした場合、年230億から370億円相当の銀などの有用な資源が未回収になる見込み。義務化しなければ、放置したり不法投棄したりする例が出る恐れもある。
 耐用年数を過ぎた太陽光パネルを長期放置すると、電流の不具合で火災の原因となったり、パネルに含まれる鉛などの有害な物質が流出したりする恐れもある。割れたパネルが飛び散り、ケガをする懸念も大きい。
 環境省は今夏にも太陽光発電のリサイクル体制を議論する検討会を立ち上げる。パネルを利用した消費者や発電事業者にリサイクル料金の支払いを義務付ける仕組みなどについて検討する。埋め立てゴミの総量を減らす方法なども詰める。早ければ来年の通常国会に関連法案を提出する。
 リサイクルではパネルの重量の6から7割を占めるとされるガラス部材は、グラスウールと呼ばれる繊維として断熱材などに再利用できる。ただパネルには鉛などの有害な物質も含まれており費用面ではリサイクルよりも埋設処分したほうが安い。安価なリサイクル技術の開発も進める。
 太陽光発電の普及が進む欧州ではリサイクルを義務付け回収体制を整えている。日本でも大量導入によって再利用の仕組みの導入が求められていた。


     2019年1月24日 日本経済新聞

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